三線(さんしん)を弾いてみました

あんこさんです。

今週のお題「私の『芸術の秋』」


黒小豆や家へのおみやげを買いに
牧志公設市場国際通りのまわりにある
お店をうろうろしていました。

駐車場で働くお兄さんが三線を弾いているのを
ふと発見しました。
なんだか、のんびりしてるなぁ。
那覇はけっこうな都会なので
お店(食べ物屋さんでのライブなど)以外で三線を見るのは初めてでした。


それが頭の片隅にあったのか、
三線無料体験』の看板を見て、
国際通りから少し細い道に入ってお店に行ってみることにしました。
前から気にはなっていたけれど、
観光客向けのお店だろうと思っていたのです。

それに、私には二胡とピアノがあるので
三線は手を出さないように我慢していました。


入ってみたら、三線だけでなく
楽譜や部品も扱っていて
ちゃんとしたお店(お土産用ではない)
という感じがしました。


小学生くらいの女の子が3人、太鼓で遊んでいて
とても楽しそう。
どうやら、ご主人のお子さんのようです。

ご主人から「弾いたことある?」と質問され
触ったこともないので、教えてもらいました。


「(下の音から)ド・ファ・ドね」


コントラバスはミ・ラ・レ・ソ(4度調弦
(ミ1⇒ファ2⇒ソ3⇒ラ4)

二胡はレ・ラ(5度調弦
(レ1⇒ミ2⇒ファ3⇒ソ4⇒ラ5)

三線はその両方です。
ド1⇒レ2⇒ミ3⇒ファ4(4度調弦
ファ1⇒ソ2⇒ラ3⇒シ4⇒ド5(5度調弦

最初は頭が混乱しますが、
下の音と上の音がオクターブ(ドと高いド)だから
だんだんと慣れてきました。


楽譜を持ってきてくださいました。
三線の楽譜は漢字で、しかも縦書きです。
なんじゃこりゃ〜、と言いたくなるわからなさです。
五線譜なんてアジアにはなかったわけですから、
他の日本の楽器もこんな楽譜を使っているのでしょうね。


もってきていただいたのは、沖縄の民謡で最も有名な
安里屋ユンタ』の楽譜です。
よく弦楽器には『きらきら星』など最初に教わる典型の曲
というのがありますが、
いきなり沖縄の曲で手加減なしなので、
余計に弾けるようになりたくなります。

上に指とドレミの図があって、
楽譜と図のにらめっこです。
どこまで弾いたか、わからなくて行ったり来たりなので
全然進みません。

だって、こんな楽譜なんですよ。

合⇒ド、乙⇒レ、老⇒ミ
四⇒ファ、上⇒ソ、中⇒ラ、尺⇒シ
工⇒高いド、五⇒レ、六⇒ミ、七⇒ファ

せめて、四⇒五⇒六 のように進んでくれればいいのに
面白い楽譜です。


ゆいレール(モノレール)で安里駅に着くときの音楽として
毎日のように耳にしていたからか、
30分くらいしたら、急に弾けるようになり、
漢字と音が結びついてきた気がします。


「また明日も来たら、
涙(なだ)そうそうも弾けるようになるよ。
こんなにすらすら弾ける人は、
1000人に一人くらいね」
なんて、ほめまくりのご主人でした。

「長くいるなら、○○(聞き取れなかった)も
弾けるようになるよ。楽しみが増えた」
と売りつける気配は一切なく、
とにかく三線や音楽を楽しんでほしい
という気持ちがあふれた人でした。


音楽発表会で、沖縄の曲を二胡で演奏しようかと
考えているところだったので、
沖縄音楽のエッセンスを吸収するために
また近いうちに寄ってみようと思います。



そのあとに、街で聞いた三線の音が
弾いている感覚を通して聞こえて
まったく違う感じがしました。

最近読んだ本にも、そんなことが書いてありました。
音楽を聴くのが好きな人は
少しでも、演奏する経験をしていると
耳が変化して、より楽しめるのだそうです。(p.75)

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