あんこさんの誕生日

あんこさんです。

あれから2年ですね、
という会話がよく聞こえてくる日でした。


日本中が忘れないこの日は
私にとって、新しいスタートの日でもありました。

この日は会社を午前中で切り上げて、
こちらの講義を受けていました。
http://www.neirojuku.com/licence

声の勉強を始めたばかりなのに、
いきなり1級の講座を受けたのでした。

地震の中でも落ち着いて講義が進んでいたため
外がすごいことになっていることには
後で気が付きました。

発声の実演として行った30秒スピーチのお題は
『好きな食べ物』

声に気を付けながら、
姿勢、視線の送り方も意識し
好きな食べ物がいかにおいしいか30秒で紹介する
というものでした。

人前でのスピーチだし、
録画されているしで、緊張して
好きな食べ物がなんだったか忘れてしまうほど。

たしか、トマトにしようか、
カレーにしようか、なんて悩むくらい
食べ物に対して、これといった思い入れがない時期でした。

自分の出番が近づいてきて、ふと

「子供の頃から大好きだった鯛焼き屋さんが
最近閉店しちゃったんだよねぇ。
あの味が忘れなくて自分であんこ作ったんだった」

と思いだし、とっさにあんこが好き、という話に組み替えたのでした。
あんこ好きという自覚症状がなかったもので
この時に気づきました。

その日は
ことあるごとに、先生があんこをネタにお話していたので
いつの間にか『あんこさん』
と呼ばれるようになっていました。
(先生もあんこがお好きなようですね)


地震の日は、上野駅近くの音楽ホールで一晩過ごし、
後にそこで行われたコンサートで、
バッハが好きになり、昨年の音楽発表会で弾くことになりました。

その後、電車遅延やら、停電やらで
会社が数日休みになったときには
たっぷりあんこを炊いて、おはぎを作り
難しそうだったピアノで弾き歌いの練習を始めました。

この時期にあんこ(あんこ・おんがく・こえ・ことば)
にどっぷりつかり始めたことで今がある。

私にとって、この日は始まりの日でした。